空を飛ぶ夢くらい見ろ

エンタメ備忘録

水神の生贄(5)/藤間麗

水神の生贄 5 (Cheeseフラワーコミックス)

水神の生贄 5 (Cheeseフラワーコミックス)

どうなんだろうなぁこれと思いながら読み続けてもう5巻。相変わらずちょっとよくわからない。あっさり風味なのにいきなりグロいこと言い出す描写があまり好みではないのだろうと思う。まあ弥生時代あたりがイメージなんだろうし仕方ないか。とはいえ、水神様の人外っぽさはかなり好き。でも異世界トリップ&先のない、未来のない恋愛関係はかなり苦手なほう……。うううん。
という、なんだか気乗りしない気分で読み進めていたところ、新キャラ真鳥さん(髭のおっさん/手練れの警備隊長/一見ちゃらんぽらん/実は切れ者)が明らかに好みだったのでもうしばらく読むと思います。

サガ スカーレットグレイス(レオナルド編いまだ途中)

非常に楽しく遊んでいる。

思わずサントラも買いに走った。とりあえず一度クリアするまでは再生しない。

戦闘に特化したゲームだなあ、という印象(サガシリーズは初めて遊ぶ。シリーズに対する印象ではない)。
フリーシナリオシステムや「自由度が高い」という売り文句に対して、長く苦手意識があったのだけれど、はじめてそれを苦に感じないゲームに出会ったような気がする。不親切だなあと思うところは多々ありつつも、まあまあ慣れたかな。
……とても楽しいのだけれど、3回くらい戦闘するともうバテる。スムーズにいっても1回の戦闘に10分はかかるのだから、疲れても仕方がないか。しかも5回に1度は負けている(もっと多いかも)。
「全滅しても残機を消費して再戦できる。その場合は特殊技(連撃)ダメージにボーナスがつく」というルールにもあらわれているけれど、そもそも「まず試し、負ければ対策を練り、再戦を挑んで勝つ」という遊び方を想定したゲームなのだろうな。戦闘ひとつひとつに頭をひねらなければならない。確かにこれは好き嫌いが分かれるだろう。好きなほうです、ハイ。
運も絡むけれど、作戦を練るのは楽しい。想定通りにいくと嬉しいし、予定外の結果になると悔しい。予測したよりもキャラクターが健闘してくれたときには、ゲーム機を握ったまま歓声をあげた。削りきれないと思った敵のHPを削り切ってくれるとか、絶体絶命のターンに技を閃くとか。なるほど、ロマンシング、かー。
ゲームショウでの発表時に物議を醸したらしい「Ready/Go!」は、確かに鬱陶しいような気もする。が、処理落ちするよりは、こんなふうにロードを誤魔化してくれたほうがいいよなあ。プレイヤーの緊張感を煽る演出としては成功だったのではないかと思う。実際ドキドキしながらじっと見る。システム的なところなら、フィールドの移動速度がゆるやかなほうが気になっているので、点が甘いのかもしれないけど……。
ロード時間といえば、そもそもゲームの起動自体が長い。固まってるのかと思ったことある。

さて、ストーリーについて(以下、ネタバレ含みます)。まだひとりめの主人公でしかプレイできていない。初起動時、「導き」に従って、レオナルドを引き当てた。
「ぶっきらぼうな一匹狼。曲がったことが嫌いで、友情に篤く義理堅い」。彼の紹介文としてはこんな感じだろうか。外見はさておき(金髪リーゼント、古き良き(?)ヤンキースタイル!)、キャラクター造形として明らかに好みだったのでそのまま採用した。熱血野郎大好き。

レオナルドは更生しかけの不良少年だ。実際、本人は「もう大人になろう」と考えている……らしい。というのは、どう考えても彼は大人にはなりきれていないからだ。
物語開始早々に、彼は、死んだ祖父から継いだ畑を街の富豪に売り渡してしまう。旅に出るために。それも、おとぎ話のなかで滅ぶ都市“アイ・ハヌム”へ実際にたどり着こうという、途方もない旅だ(街道で行き倒れかけていた、見ず知らずの女性のうわごとを真剣に受け止めているのである)。無謀なレオナルドを放ってはおけないと、幼馴染(不良仲間?)の少女エリザベートが彼を追う(仲間たちを引き連れてついてくる)。話としてはこれだけで、これ以上には何もない。
レオナルドに目的はひとつしかない。世界を巡り、夢の街への道を探し求める。行く先々で馬鹿にされ、呆れられながら、彼は問い続ける。「アイ・ハヌムについて、知っていることはないか?」……

キャラクターの話。レオナルドの相棒役エリザベートがとてもかわいい。外見の話ではない(外見も「強気な美少女」という感じで、良い)。エリザベート、通称リサは、“アイ・ハヌム”が実在するなどということは、まったく信じていない。彼女は再三「そんなの信じてるのはレオだけよ」と言う。それでも彼の旅路を否定しない。どころか、地理に疎いレオナルドのために道案内を買って出ている節すらある。そもそもゲーム上の解説役として設定されているのだろうとは思うが……。ふたりのやりとりは実にほほえましい。とことん自由にふるまうレオをリサがたしなめたり、はしゃいでいるリサに頷いてやるレオだったり、静かに昔を思うふたりだったり。悪霊イベントは実においしかったですね。

きっと、リサが信じているのはレオナルドだ。
彼が、けして目的を諦めず、物語になんらかの決着をつけることを、彼女は信じているのだと、そう思う。若い娘らしく、果てがなくとも一向に構わないのかもしれない。彼女の抱く信頼を、愛以外になんと呼ぶだろう。

プレイ時間は80時間に達した。
別に一周目ですべてのイベントを見る必要はないというのに、あっちにもこっちにも気になる要素が転がっていて、ついついつつきに行ってしまう。図書館にすら行きたくなくて世界中ぐるぐる回っていたが、一昨夜、やっと帝都に足を踏み入れた。リサとのやりとりが、ここでもやはりとてもよかった。旅路の果てになにがあるのか、いまだわかっていないけれど、しばらくはゆっくり歩いてみようと思っている。……はい、またも寄り道しています。

しかし、なんかうちのレオには術師ばっかりついてくるんだけどなんでだ。そろそろ物理アタッカー仲間が欲しいんですけどー。術師×4+プロテクト役1の陣形、案外うまくいっちゃうことあるけど!

国語辞典に潜って遊ぶ

ふと辞書を引いてみて驚いた。「眇める」って、その一語で「片目を細くする」ことをあらわしているのね。片目のしぐさ限定だとは思っていなかったので、えっ、と、驚きが声に出てしまった。
待てよ。そうすると、「目を眇める」という書き方をすると、重言になってしまうのかな? あと、本当に、両目を細くするしぐさをあらわすときには使えない言葉なのかな。……などと、辞書をひっくり返し、webをあちこちさまよって、たっぷり冒険をした気分になっている。久しぶりの感覚だ。楽しかった。

知らなかったことを知ることは、とてもおもしろい。自分の興味のある分野ならなおさらだ。時代が過ぎれば言葉の意味も変わっていってしまうかもしれないけれど、それはそれでよい。

この記事の中程に、「不機嫌な言葉くん」が登場する短い文を書いていたが、なんだか恥ずかしくなって消した。青春小説っぽい何かだった。SF作家の誰かが、きっと、いつかどこかで書いているとも思った。